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【夜が明ける】苦しかったら、助け求めろ。小説『夜が明ける』をギュッとまとめました
こんにちは。
しもやん(@shimoyan0101)です。
このブログでは書籍
『夜が明ける』を
ギュッとまとめて紹介しています。
夜が明ける
著書 西 加奈子
貧乏って言葉も足りないんじゃ
ないかってほどの貧乏で。
夜が明ける
ざっくりまとめました。
私は素直じゃない
中学のときかな、
お弁当ないから、
お昼休みはずっと絵を描いてた。
水を飲むのも嫌だった。
お腹空いてるんだ、水で誤魔化してるんだ
って思われるのが嫌だから。
お弁当食べないの?
て聞いてくる子がいると、
その子に腹が立って仕方なかった。
私のお弁当、良かったら一緒に食べない?
って聞いてくる子には
もっと腹が立った。
私が素直じゃなくて、
性格ゆがんでて、
だから馬鹿にされてると思うんだって。
私が勝手に、
クラスメイトの優しさを否定しちゃうんだって。
でも、
じゃあ、なんで
そんな風に思わないとけないの?
俺たちの体
俺たちの間では、
そういう暴力的なことが流行っていた。
自分たちの体のせいだ。
急激に増殖する男性ホルモンというやつを
俺たちは持ち余していた。
自慰をしてもしても
(本当に、どれだけこすってもこすっても)
それは次から次へと溢れ、俺たちを翻弄した。
廊下ですれ違うときに思い切り肩を殴ったり
「わっ」と驚かされた勢いで
そのままグラウンドを何周もしたりした。
(2階から飛び降りて足を骨折した奴もいた)
もちろん悪ふざけだが、誠実だった。
そうしないと死んでしまう
とすら思っていた。
一人きりで徘徊する人生
アキは死ぬのが怖かった。
家族を失い、一人きりで
犬のように徘徊する人生でも、
それでも、死が怖かった。
そして、死を怖がる自分を恥じた。
近所のパン屋で廃棄されている
パンの耳をもらい、
閉店間近のスーパーで
半額のシールが貼られた商品を買い、
時にはフードコートで
客が席に残していった残飯を狙った。
一度、食器を返却口まで
戻さなければいけないと知った
女二人が席の戻ってきたことがあった。
自分たちが残したラーメンの汁や春巻きに
食らいついているアキを見て、
二人は小さな悲鳴をあげた。
アキは春巻きを掴んで逃げ、
トイレの中で食べた。
恨んじゃいけないって
私に何かを恨む権利はない。
最初はそうだったんだ。
私よりもっと辛い人がいる。
だから恨んじゃいけないって。
でもいつからかな、
恨むことが負けだと思うようになった。
恨んでたら、恨んでる側が弱いんだって。
強い人は恨まないんでしょう?
弱いから、
弱さの中にいるから恨むんでしょう?
誰かの世界の優しさを信じられないのは、
その人が弱いからなんでしょう?
優しさを信じられないんだね、
手を差し伸べても拒絶するんだよね。
それって弱いからだよね。
まとめ
私は優しいんじゃない。
私は誰も恨まない。
ずっと笑ってる。
負けたくないから。
「これが私の戦い方なんだよ」
少しでも
興味を持ってもらえれば嬉しいです(^^)
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